経営技術コンサルタント
西谷和夫 西谷経営技術研究所所長

大阪生まれ。関西大学工学部電子工学科卒。タキロン㈱入社。

分析的改善の時代

まだ私が20代のころ、日本能率協会の二人のコンサルタント先生に来てもらっていた。

一人は「IE作業改善」。も一人は「スキル管理設備改善」。

IEの先生は、「人の動きを細かく分析して、ムダを取り除く」手法。
スキル管理は、「機械をバラバラにバラシて、微欠陥を摘出、修復する」手法。

どちらも、「現象をミクロに観察する」考え方は同じ。

私はそのお二人の事務局的な仕事をしていた。
お陰で先生方のノウハウは、十分勉強させていただいた。

しかし、やっているうちに気付いたのだが、
大雑把に見るよりも虫眼鏡で観察することは確かに大事なことなのだが、
ミクロな見方ばかりしていると、工場マネジメントの全体像が見えなくなってしまう。

工場長クラスは「ムダを見つけてムダをツブス」ことよりも、工場全体を鳥瞰して、マネジメントシステムの改善に取組むべきではないか。
そう感じるようになってきた。

そうなると矢も楯もたまらず、本を読み漁り、独自で工場マネジメントの勉強に取り掛かる。

デザインアプローチに目覚める

実際、工場現場にいるわけだから、勉強して得た知識は直ぐにトライすることができる。
工場内では管理職を含めほぼ全員が現状維持派だったため、硬い頭をほぐすのに大変な苦労を経験したが、そのおかげで工場改善業務の社内第一人者になった。

その後、TQC・TPM・新製品開発・ISO認証取得を担当し、工場のマネジメントシステムを改善し続ける。

その働きを見たコンサルタント会社からヘッドハンティングを受けたが、まだまだやり残したことがあると誘いを断り、改善活動を推進しながら、実務と理論を併用した手法に磨きをかける。
それまでの主流だった「分析的アプローチ改善」の限界に気付き、「プロセスデザイン」アプローチによる独自の超効率的改善技術を開発。

学ぶから教える

2000年にタキロン㈱を退社し、西谷経営技術研究所を設立、代表となる。
ISO認証取得指導を初め、リードタイム短縮・工数削減など中小規模製造業の生産性改善の実績を上げ続け、現在に至る。
今こうして工場改善の指導をしているのも、若いころにコンサルタント先生の指導を受けたことががきっかけと言える。

座右の銘 : いかなる問題も、それが発生したのと同じ次元で解決することはできない。
― アルバート・アインシュタイン

メディアへの執筆、セミナー・講演多数。

[業績向上の実績] (2016年12月現在)

製造業:178社  サービス業:75社  建設業:15社 倉庫業:2社  ホテル旅館:2社 卸業:1社

著書:『工場改善の仕組みづくり発想法(中央経済社)』